就活の幹

就活のテクニックではなく、求められる人になるための本質・考え方・構え方など考えてみます!

新卒で即戦力は求められるのか?

一般論ですが

新卒の就職活動において、一般的には日本は職務に応募するというより会社に応募しているので、専門性や経験が問われることはほぼ無いと思われます。

そのため、文学部からITコンサルをやってみたり、情報工学科から営業になることもありますね。ちなみに私は後者です。(w

 

企業側の視点

さて、経団連が毎年行っているアンケートの結果を見てみましょう。

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出典: 一般社団法人 日本経済団体連合会 2015年度.経団連:2015年度新卒採用に関するアンケート調査結果 (2016-02-16)http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/012_kekka.pdf. p.13.

 

専門性は10.7%、所属ゼミ/研究室が0.5%、インターンシップ受講歴が0.3%となっています。この3項目で11.5%となります。

ただ、求人を行う側の企業の状況・考え方として次のようなものが想定されます。

  • 新卒応募者に専門性を問う仕事が少ない(大学等の研究分野とマッチする専門職のキャパシティ)
    企業単位でみると1つの企業で必要とする専門分野は限定的である。
  • 企業側が専門性は入社後に行うという人材に対する考え方
    旧来の日本社会の産学分離状態が悪い意味で継承されてしまっている可能性がある。
  • 大学等では学ぶことの無い専門性の職種である

求人全体のパイの中に学生の持つ専門性は網羅されている可能性は高いが、大企業を志向する学生がパイの中の限定部分に応募しているため、ミスマッチや偏りが高い状況となり結果として専門性を問わずに採用する旧来の産学分離状態の人材育成方法とマッチしてしまっていることはないだろうか。

 

新卒でも専門性を求めることができる

一方で、11.5%の専門性を評価する要素もある。実は大学・大学院で学んだものは社会で活きないのか?というと全くそんなことはなく、活かされることも多い。計算機科学を専門とした人が、コンピュータメーカーのR&DやDivisionに就くことは学生での研究の延長上でビジネスを行うということになるだろう。そもそもMIT等多くの大学で研究されてきたOSが今のコンピュータビジネスを支えているのだから、学生が即戦力にならないというのはとんでもない誤解でしかない。即戦力となる仕事を志望して就活をしているか否かというだけのような気がしてならない。

 

即戦力を求められるが無理だという学生は、そもそも自分の専門と異なる職務に応募していないだろうか。マッチしている職種に応募しているなら、遠慮なく大学での研究成果をアピールして欲しい。特に工学部で大学院に行っていれば学会での発表経験もあるだろう。数回発表していれば学会に入っている企業の担当者は名前を知っているかもしれない。あるいは、面接後に社内で確認をするかもしれない。これがつまり即戦力としての評価に繋がる。

 

さいごに(即戦力は応募次第)

 即戦力は、あれば欲しいのが企業側の思いだろう。ただ、そこに専門性を持った学生が応募してくるか否かは学生次第だ。学生時代の研究と企業に応募している職種の専門性がマッチしているなら是非アピールして差別化をして欲しい。企業も本来、即戦力を持つ人材を雇用すればコスト削減にもなるため、可能であればそうしたいはずだ。ただし、新入社員の個々を見ず、十把一絡げにしてしまうような企業は即戦力を台無しにする。

個々の能力を見て欲しければ大企業がBestな選択肢か?というと微妙である。もし、即戦力を考えるなら、しっかり職種・職務内容を見て応募をすべきだろう。結果を出している学生は、必ず即戦力として見てくれる企業は存在するはずだ。

 

あとがき

正直、私も学生時代の知識だけで15年以上勤めてきた。(入社直後は営業だったが、後にエンジニアに職種転換させて頂いた。エンジニアとして15年以上勤めた。)

恐らく定年まで続けられたと思うが、研究職ではなかったため延長上ではなく学生時代に学んだ知識の中の点上で仕事をしただけだった。自慢話は格好悪いので書かないが、自分の経験から即戦力が活かせても、自分をさらに磨ける職場であることが重要だと感じている。知っていることだけで仕事をしてもマンネリ化がすぐに来る。最後には、なんでもできてしまうので、誰でもできる仕事をしていると錯覚してしまうのだ。そんな私の失敗を皆にはして欲しくない。